11月23日(土・祝)の『風景の死滅』出版記念イベント(『略称・連続射殺魔』上映+松田政男・足立正生・平沢剛トーク)は、大盛況のうちに終わりました。
『略称・連続射殺魔』の都内での上映は久々のことで(昨年、埼玉県立美術館で「日本の70年代1968-1982」展の関連企画として上映)、そうしたこともあってか、イベントは第1部の上映からほぼ満席。
出版・映画関係者をはじめ、松田さんや足立さんの同世代から10代後半の学生まで、幅広い層の人たちが席を埋めつくしました。
(『略称』は、永山則夫の流浪した足跡を忠実に追い、
日本列島を縦断、香港にもおもむいて、
永山の見たであろう風景を丹念にカメラに収め、
永山が生まれてから逮捕されるに至るまでの道程を写し出すというドキュメンタリーです)
第2部のトークでは、まず平沢剛さんが、
70年代に「風景論」が唱えられていく過程(と必然性)、
そして現在における可能性を概説。
「風景論」は現在、ATG映画などとともに、
アメリカやフランスなどでも脚光を浴びているとのことで、
さらには本書の翻訳も検討されているとか。
その後、平沢さんを進行役にしつつ、
松田さんと足立さんが、60年代末から70年代の時代状況などをからめながら、
『略称』の撮影過程や「風景論」の成り立ち、様々な論客との応接など、
漫才さながらの掛け合いで振り返りました。
最後に、客席の太田昌国さんと津村喬さんに
一言ずつコメントをいただきました。
太田さんは、永山の印税をもとにした「永山子ども基金」と、
今年で3回目の「死刑映画週間」(2014年2月15~21日@渋谷ユーロスペース)について言及、
津村さんは、松田さんとの関わりから、
「ゴダール論」や猪俣都南雄研究など、
当時の自身の活動が生まれた経緯などをお話しくださいました。
その後の打ち上げは、深夜に松田さんが退席後もつづき、
翌朝、始発電車で散会しました。
(写真は、イベント第2部のトーク模様。
左から平沢さん、松田さん、足立さん)